俺の好きな人は、俺の兄貴が好き。
【整理番号63番】
この地味に後ろの番号…
イベントが始まってすぐに買い物始めたあいつらはいったいいつから待ってたんだか……
そうとう暇だな…
兄貴と写真撮ってサインもらって…
そんなん、俺んちにくれば好きなだけできるわ。
……俺は、わざわざそのために今ここで待ってるのかと思うと…
暇人だな。
きっと、兄貴にもそう思われるだろうな……
……でも俺は付き合いできただけなんだ!!
ただこの靴を履きたかった!それだけだ!!
…いや、涼すけと出掛けたかったってのもあるけど……
ここにいるのは本当に仕方なくなんだからな!!
・・・なんて、言わなくてもわかってくれるだろうけどさ。
「碧翔!もうすぐだね!!
あぁぁぁ、緊張する!!」
「うるさっ…」
さっきの静かさはどこにいったんだよ、おい……
なんてしてるとあっという間に俺らの番号が呼ばれた。
本当、あっという間なんだなってのが正直な感想。だってまだ30分もたってねぇし…
みんな、そんなさっさと買い物終えていくのかよ?おい。
「碧翔、行くよ!」
「はいはい。
ってかさ、これいくら以上買えばいいわけ?」
「5000円!」
「は!?やす!」
そんな安いのか!?
兄貴の価値ってそんな安いのか!?
普通に3万くらい覚悟してきたのに……
「前は1万だったんだけどね
ASAHIくんがもう少し設定低くした方がいいって言ったみたいで、今は5000円になったの!」
5000円……それなら確かに選ぶ時間も短くなって回転率よくなるわな……
ある意味すげ…
「で、碧翔はなに買うの?」
「時間制限がないなら普通に買い物してきたいんだけど」
「いや、30分だけなんだよね」
「みじかっ!」
おいおい、まじかよ。
どんだけ回転率伸ばそうとしてんだよ…