俺の好きな人は、俺の兄貴が好き。



自宅に戻って咲空と飛鳥と飯を食ってると、兄貴が帰ってきて、最後に母さんと父さんが一緒に帰ってきた。


「ねぇ、ママ~
私も服買いにいきたいんだけどー」


咲空はさっそく母さんにおねだり。
まぁ俺だけ買いにいったらそうなるわな


「え、咲空も?
そういえば最近服買いに行ってないか…

……でも私もちょっと先まで休みがないしなぁ…」

「友達と行くからいいよ!お願い!」

「んー…」


と、母さんも咲空には割りと慎重派。
なんせまだ中学生だから、たくさんの金をもって渋谷や原宿に行くのは危ないという考え。

……まぁ、危ないやつもいるけどさ
でもそうそうそんな危険なことはないとおもうけど…


「……朝陽は暇なときってないの?」

「え、俺?
俺もー…、大学もあるし、撮影とかもあるからなかなか…けっこう先でよければって感じなんだよね」


兄貴も兄貴で、仕事と勉強の両立に必死。
時間ができるとしても遅い時間だから、ますます俺ら未成年組とは出掛けなくなる。


「んー、咲空はすぐに服がほしいの?」

「来週みんなでDランドに行くから、そのとき着てく服がほしいの!」


おいおい、母さん
渋谷原宿はダメなのに、遊園地は子供だけでいいのかよ。その基準はなんなんだよ…


「そっかー…
あ、じゃあ碧翔が一緒についていってあげてよ!」

「・・・は!?俺!?」

「だって飛鳥もたぶんバンドの練習があって忙しいとか言うだろうし、碧翔はバイトも部活もしてないから時間あるでしょ?」

「なんだよ、俺だけ暇人みたいな言い方…」

「そういうわけじゃないけど
でも、たまには妹の面倒もみてあげなさい?」

「……はいはい」


まぁ、しかたないか…と俺が妥協するも

「えー、碧翔ー?」

感じんの妹からは不満の声。

「せめてお兄ちゃんがよかった」と。


おいおい、俺も”お兄ちゃん”じゃねぇかよ


「朝陽だと時間もなかなか合わないから…
今回は碧翔と行ってらっしゃい。
また時間作って一緒に行ってあげるから」

「……ま、行けるだけいっか。
じゃあ碧翔!明日、学校が終わったらすぐ渋谷駅前で!!」

「はいはい、わかったよ」


ったく、しかたねぇな…



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