俺の好きな人は、俺の兄貴が好き。
翌日
俺はいつも通り飛鳥と学校に向かい、にぎやかな教室へと入る。
さすがのこのクラスも、数日後に迫る文化祭の準備で大にぎわいだった。
「おっはー」
そんな準備すら俺は手伝わない。
…まぁ、正確には朝が遅くて俺も飛鳥も準備に間に合わないんだけどさ…
「あ、碧翔きた!!」
「お前おせぇよ!」
「わりわり」
クラスの友達が遅く来る俺に駆け寄る。
いつもはそんなことないから、いったいなにがあったんだ?と不思議がっていると
「碧翔彼女できたわけ!?」
なんか、とんでもないことを言い出した。
「はぁ?」
「昨日碧翔準備サボって早く帰ったろ!」
「俺ら準備終えて帰る前にファミレス寄ったんだけど、そこで碧翔見てさ!」
「お前女の子といただろ!」
「しかもめっっちゃ可愛い子!!」
「いつの間にあんな可愛い子捕まえたんだよ!」
・・・可愛い子?
渋谷?ファミレス?
「……あぁ、咲空か」
「うわー、碧翔が女の子の名前呼び捨てにしてるよー」
「似合わねー」
「うるせぇよ!
ってかあれ彼女でもねぇし。
ただの妹だし」
「「「・・・妹?」」」
「そう」
その明らかながっかり感。
なんだよ、そんなつまんねぇかよ。
「…そうだよな
碧翔に彼女は早いよな」
「まじで抜け駆けかと思った」
「な。ってかどんだけ妹可愛いんだよ」
「まぁ飛鳥もイケメンだもんなぁ」
「お前ら…それは俺がイケメンじゃねぇってことか!!」
「はは、碧翔も黙ってりゃまだまともなんだけどな~」
……うるせぇよ