俺の好きな人は、俺の兄貴が好き。



*****


今日の朝礼は荒れた教室のまま、担任がなんか喋って終わって
今日の一時間目も全クラス文化祭の準備時間として当てられている。


「碧翔こっち手伝って―!!」

「んー?」


無事に看板が完成し、みんなで教室の入り口に設置している時
ただ立ってそれを見ていた俺を涼すけがでかい声で呼んだ。


「なに、どうした?」

「Tシャツ届いたから、これサイズ確認してみんなに配って!」

「え、俺がー?あとでみんなに取りに来てもらえばよくね?」

「碧翔ひまなんだから別にいいじゃん!
はい、頼んだ!!」

「ったく、仕方ねぇな」


よくよく思えば、文化祭ってもう明日校内発表じゃね?
今日木曜日。…そうじゃん、明日じゃん。

ってかTシャツもどんだけギリギリに届いてんだよ。
普通もっと余裕を持って届くもんだと思うけどね。


「はい、青木Sサイズなー」

「あ、ありがとー」


明日かぁ。明日文化祭だってのに、前日の今日準備初参加って、俺ちょっとやばいかも。



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