俺の好きな人は、俺の兄貴が好き。



____で、結局

「ただいまー」

「お帰りー。碧翔遅かったね?」


準備が終わるわけもなく、家についたのは20時すぎ。
まさかの飛鳥よりも母さんよりも家に着いたのは遅かった。


「あー、明日文化祭だからさー。
準備サボりすぎて今日超こき使われてた」


こんなに頑張ったのに、準備は全部終わったわけでもなく。
明日も朝早くから学校の飾りつけを手伝うんだと。


「碧翔サボりすぎだもんな」

「飛鳥はやってたわけ?準備」

「まぁできる範囲で?
でも俺はバンド優先でもみんな全然文句言わねぇから」

「……いいよな、人気者は」


飛鳥は明後日の公開日だけバンドのライブがある。
そのチケットも即完売で、みんな期待してるもんなぁ…


「ってか碧翔明日部活の方出んの?」

「出ると思う?俺が」

「……まぁ部活行ってないもんな」

「そうそう」


飛鳥みたいに歌唱力があるわけでもなく
兄貴みたいに見た目がいいわけでもなく

俺はこれといって特技がないから、適当に飛鳥に言われるがまま部活も選んだんだよな。
元々参加する気もなかったし。


「碧翔ももっと真面目になりゃよくなるのに」

「いや飛鳥に言われたくねぇ」

「いや俺バンドには真面目だから」


・・・確かに。



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