俺の好きな人は、俺の兄貴が好き。



「ちょ、涼!
ASAHIくんのブログで、その相手の女性
事務所の先輩の五十嵐美鈴だってよ!?」

「え!?
え、じゃあ五十嵐美鈴って碧翔のお母さんてこと!?」

「ちょ、おま…!声でけぇって…!」


急いで持ってた週刊誌で涼すけの口をふさいだけど
その声は近くにいた人には当然聞こえてるわけで


「えぇ!?」


一気に、クラス中に広まった。


「そっか、だからあんな立派な家だったんだね」

「いや、だから…」

「違うならなんでこれみて母さん、なんて言ったの?
どういうこと?」

「…ちょーーーっと
飛鳥んとこ行ってくるわ!!」

「ちょ、碧翔!!」


やっべー…、完全にやべー…

これ絶対飛鳥に怒られるやつじゃん…



「あれ、碧翔なにしてんの
俺のクラスの前で」

「…飛鳥、まずい」

「は?なに」

「母さんのことバレたわ」

「は!?」


飛鳥は衝撃過ぎてでかい声出したかと思ったら
数秒、そのまま静止した。


「……い、いや
そういう冗談きついわ…はは」

「悪い、冗談じゃないんだわ…
俺もこれが夢だと思いたいけど、事実なんだわ…」

「……なに、なんかあったの」

「それがさー…」



俺は、さっき教室での出来事を話した。
双子ならきっとわかってくれる。と思って。


「……まじで俺、なんでこんなアホとなんで双子なんだろ」

「お、おう
なかなかひどいぞ」

「呆れすぎて怒る気にもならねぇ…」

「……本当、悪い
でももう否定しようがなくて…」


もう、どうしようもなかったんだよ…


< 30 / 133 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop