俺の好きな人は、俺の兄貴が好き。
「言っとくけど、俺の家族は涼すけが思ってる以上に厄介なんだからな!
父親と母親が芸能人とか、まだ序の口だっつーの!」
「え!?え、そうなの?」
「そ!だからそんなことでいちいち気にすんなよな。
一番バレたくないやつがまだバレてねぇからいいんだよ、別に!
飛鳥もそう言ってたしー」
「そ、そっかぁ…
碧翔んちって本当謎だらけなんだね…」
「なんて面倒な家に生まれてきてしまったんだか、俺も」
「でもさぁ、
あんなキレイな人がお母さんとか、なんかちょっとうらやましいよ」
「はー?別に普通だよ」
「いやいやいや!全然違うって!
うちのお母さんと比べたら本当同い年の子を持つ親には見えないって感じだから!
どうやったらあんなキレイを保てるのかなー」
「…ババアかよ」
「はぁ!?」
でもま、
涼すけが母さんとか父さんのこと知って、対応変わらないところがさすがっていうか
やっぱそういうとこ、好きだわ。
「あ、飛鳥くんの歌のうまさも遺伝なのかな?
碧翔の歌って聞いたことないけど、やっぱり碧翔も上手?」
「俺歌嫌い」
「え、なんで」
「いちいち飛鳥と比べられるから」
「はは、それはそれで大変だね。
碧翔は飛鳥くんともいちいち比べられるから本当苦労してるね~」
「涼すけもこの前俺と飛鳥比べてたじゃねぇか!」
「え、そうだっけ?」
「そうだわ!!」
「はは、忘れちゃった~」