俺の好きな人は、俺の兄貴が好き。



ゴミを捨て、やっと廊下まで戻ってきたところで

「あ、碧翔!!」

「…ん?」

前から隣のクラスのやつらが走ってきた。


「頼みがある!!」

「は?なに、もうすぐ文化祭始まんじゃん」

「だからだわ!
碧翔ずっと部活サボってたけど、俺んち部も出し物やるんだからな!」

「ゲッ!そっちかよ!
ますますやだわ!」

「ダメだわ!強制参加!!
つーか高3でこれで引退なんだから最後くらいちゃんと来いよ!」

「やだわ!ってか俺行かな過ぎて思い出とかねぇし!
俺のことなんか忘れてくれて結構でーす」

「だめでーす。強制参加でーす」

「ってかなんで今さら?
今頃俺が行ったところで俺なんにもできねぇじゃん」

「それがさー、1人昨日ケガしちゃって人数足りてねぇんだよ。
今はもう碧翔にまじで頼むしかないって感じなわけよ、正直なとこ」

「あー、そういうこと。
ってか俺に務まるわけ?それ」

「いやむしろ碧翔じゃなきゃ無理だと思う。まじで」


えーーー…
もうこれ行くしかないやつー…?
今更俺が行くとかめっちゃシラケそうじゃね…?
てか1年とかにお前誰って思われるやつじゃん、絶対。


「碧翔、行ってあげなよー」


…もう、行くしかねぇよなー
涼すけにまで言われちゃ…


「…ったく、わかったよ」

「まじ!?助かる!!
俺部長に連絡してくるわ!!」

「え、てかいつどこに行けばいいわけ?」

「あ、今日終わってからでいいわ!
クラスの方片付いてからで!部活の明日しかねぇから!」

「はいはい、了解」

「ちゃんと来いよな!」


はいはい、わかってますよっと



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