俺の好きな人は、俺の兄貴が好き。
やっとあいつがいなくなって、俺と涼すけはまた教室まで歩き始めた。
ってかあいつ、俺の両親のことなんも突っ込んでこなかったな。
まだそこまでは広がってないってことか。よかった。
「ねぇ、碧翔って何部なの?
出し物なにやるか知ってるの?」
「え、俺はー…一応、演劇部」
「え、演劇!?」
「そ。中学んときはバスケやってたんだけど続けるつもり別になかったし、そこまでうまいってわけでもなかったし
でも部活にはなんか入らなきゃいけないから仕方なく演劇部。
ってか本当は最初茶道部に入ったんだけど全く行かなかったらクビになって、2年の時に飛鳥に言われるがまま演劇部に入ったんだよ」
「演劇、って
碧翔やったことあるの?」
「全くない。興味もない。
まぁ強いて言えば子供の頃人形劇やったくらい?
それ以外でなにか演じたことってないかな」
「え、それだけ?
飛鳥くんが勧めたからもっとやってたのかと思ってた」
「いや全然」
まぁでもサボるつもりだったから別になんでもよかったんだよな。
演劇だろうが、飛鳥のいる軽音だろうが、なんでも。
「ちなみに今年は演劇部、なんの劇やるんだろうね」
「さぁ?俺は行かねぇから知らんけど」
「ったく、それで役に立つの?」
「役に立たなくてもいいんじゃね?
もはや人数合わせな気がする。
どうせ黒子か大道具とか、まぁなんかだと思うけど」