俺の好きな人は、俺の兄貴が好き。
***
残り30分、という短い時間で俺らのクラスもようやく店が開ける状態までなって、俺はいきなり店番じゃないから、とりあえず友だちとどっか回ろう、と教室を出たら
「あ、碧翔!!」
いきなり、飛鳥に捕まった。
「え、なんだよ珍し」
そんなでかい声、お前も出るんだなぁ。
いつもクールぶってるからそういうでかい声はもう出ないのかと思ってたよ、俺は。
「ちょいちょいちょい」
飛鳥はこっちまでくると俺の腕を掴んで
「いって!な、なんだよ」
「ちょい来いって!」
俺を引っ張って、階段を駆け下りた。
危ねぇったらないわ!それでも俺の弟か!!
「な、なんだんだよ…」
結局連れてこられたのは静かーな1階。
職員室とか事務局の前だった。