俺の好きな人は、俺の兄貴が好き。
「…仮に、母さんが来るにしても
近づかなければそんな関係ないよな?
母さんが文化祭、見て回るわけじゃないだろうし」
「それを俺も願いたいよ」
願いたいよ、って…
もしかして母さん、文化祭の見学とかしないよな?
さすがにないよな…?あの社長がそれを許すとは思えない、…けど
なんか母さんならやりかねない気がする!!
おばさんのくせになんか変なとこ好奇心旺盛だし!
こういう機会じゃないと俺と飛鳥のクラスとか見られないし…
とかいって見学しそう!めっちゃしそう!!
「…とりあえず俺練習あるから行くわ。
暇だったら母さんじゃなくて父さんにでも事情聞いといて」
「え、なぜに父さん?」
「母さんだと適当にごまかしそうだから」
「・・・確かに」
でも父さんてたしか
今日も明日も仕事じゃなかったか…?
仕事中、あんまり連絡つかねぇんだよなー…
…ま、一応メールだけ送っておこっと
「あ、碧翔!」
「うわっ!!驚かすなよ!」
俺はその場から動けず、そのままそこでスマホを取り出して父さんにメールしようとしたら
さっきの演劇部のやつがでっけぇ声で俺を呼んで走ってきた。
こんなとこででかい声で呼んだら先生に怒られるぞ、お前…
「別に驚かせようとしたわけじゃねぇし。
ってかこんなとこでなにしてんの」
「いや、別に…
ってかなんか用?」