俺の好きな人は、俺の兄貴が好き。



「あ、そうそう
碧翔が部活の出てくれるっていうのを部長に報告したら、その代役の分の台本くれたから渡しに来た!」

「え、台本?え、俺セリフある系?
ってか役ある系?」

「はぁ?当たり前だろ!3年は全員出演者だわ!」

「えー…まじかよ、最悪…」


そういや、例年裏方は1年がやってたような…
3年全員出演なのかよー…

だから俺演技とか全然したことねぇんだって…


「ん、これな!」


そういって受け取った台本にはしっかりタイトルが書かれていた。


「…仮面舞踏会、ってなに」

「2年の橋ケ谷ってやつが脚本を書いたんだよ。
一応サスペンスだから」

「あ、俺最初に死ぬ役がいい」

「いや碧翔の役は犯人の親友役だから」


なんだよ、最後まで死なないのかよ…


「まぁ碧翔の役はそんなセリフないけど、でも最後に大事なセリフがあるんだから、ちゃんと覚えとけよ?
講演明日なんだからな!」

「はいはい、わかったよ」


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