俺の好きな人は、俺の兄貴が好き。
「ってか涼すけこんなとこにいていいわけ?
今見回り中なんだろ?」
「いいよ、めんどくさいもん」
あ、涼すけにもそういう感じあるんだ。
いつも文化祭についてはまじめだったからてっきり委員会の仕事も真面目にやってんのかと思ってた。
「…んー、じゃあサボらねぇ?
俺校内発表ってあんまり興味ねぇし」
「賛成~
どこ行く?」
「体育館とか。今日使わねぇじゃん?」
「あ、いいねー。
もう椅子は並んでるし、ちょうどいいね」
ってことで、俺らは2人で体育館へと移動した。
…なんか、俺ラッキー。
涼すけと一緒に文化祭回るのもよかったけど、でもいろんなやつが邪魔してくるだろうしハズイから
2人きりになったほうが100倍嬉しいわ。
「そういえば飛鳥くん、芸能事務所に入るって噂あるけど本当?」
「あー、飛鳥は入りたがってるけど親が絶賛反対中で今のところ予定はないけど、一応スカウトは来てるって感じ」
「え、反対なの?ご両親芸能人なのに?」
「まぁ芸能人だから反対してるってのもあるのかも。
父さんもこんな世界に自分から入ることはないって言ってたし」
「へぇ…芸能界も大変なんだね」
まぁ詳しいことはわからねぇけど…
でも、父さんも母さんも仕事をしている時は生き生きしてる。
たまにテレビで見る母さんはすごく楽しそうに仕事をしている。
いつだか密着番組で2か月くらい密着されてたやつ放送されたけど、それ見てもいちいち楽しそうだった。
…なにがそんなにダメなんだろ。