俺の好きな人は、俺の兄貴が好き。



体育館に着くと思った以上にひんやりとした静かな空間だった。
今日暖かい方だと思ってたんだけどな。


「なんか外より寒いねー」

「日が当たるところの方がいいかも」

「だね」


体育館に入った俺らだったけど思ったより寒かったから、体育館の入り口に座ることにした。
中はちょっと寒すぎ。



「ってかさ、こんなこと碧翔に聞くことじゃないと思うんだけど
碧翔のお母さんとASAHIくんって仲いいの?」

「えっ、
さ、さぁ…」

「あの週刊誌の写真、事務所の先輩後輩って感じには見えなくない?
かといって不倫とかじゃないとは思うけどさ、さすがに」


ま、そうだよなー…
あの写真、ただの他人には見えないよなぁ…
俺らからしたら別に変な写真ではないんだけど…
母さんっていつもあんな感じだし…そこらへんで俺に会うといきなり抱き着いてきたりするし…
普段クールなくせに…


「…まぁでも、母さん事務所の先輩とかマネジャーとか、よく一緒にいるとこ見るし、あんなもんなんじゃん?母さんからしたら」

「ふーん?そうなんだ」


まぁでもさすがに先輩とかマネジャーと腕組んだりすることはねぇけど…
ってかいつも大抵同性だし…異性ってまずねぇし…

それこそあそこの社長さんくらいで…


そもそも他人から見たら
なに大学生とくっついて街歩いてんだって話だよなー…
40のおばさんと、20歳のモデル・・・
世間体悪すぎ・・・

あ、まだ39歳か?まぁどっちでもいいわ。


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