俺の好きな人は、俺の兄貴が好き。
「でもさ、なんかあの写真見ると
あの2人、なんかお似合いだよね」
「は!?気持ち悪いこと言うなよ!」
「あはは、そっか
碧翔からしたらお母さんだから嫌なのか」
ま、まぁ…それだけじゃねぇけど…
あの2人がお似合いって…
ただの親子だっつーの…
「…ってかさ、涼すけ
ASAHIのこと好きなんだろ?
涼すけは嫌じゃねぇの?
ASAHIが他の女とくっついてんの」
前は、彼女いるのかなとか気になってたくせに。
なんか思ったよりショック受けてねぇじゃねぇか
「んー、でも実際相手既婚者なわけだし
しかも息子目の前にいるわけだし」
「…笑ってんじゃねぇ」
「あはは、なんか変な感じ。
でもあの写真みて、えっ…とはなったけど
でも実際違ったなら別にショックじゃないよ。
ASAHIくんの言葉を信じるだけだもん」
「ふーん?まぁそうだよな。
まぁ母さんが熱愛相手なんて、俺も全力で否定するから」
「あはは、そっか。
…でもやっぱり、ASAHIくんは好きだけど、結局憧れっていうか…もし彼女ができたとしても、それを受け入れるしかないんだよね。
好きだからこそ」
そういう涼すけの目はやっぱり本気で
こいつ、本気で朝陽のこと好きなんだなって
そんなことを思ってしまった。
…ま、確かに兄貴はいい男だと思うよ、俺も。
常に優しいし、頭もいいし、背も高いし、なんなら料理までできるし
兄貴にダメなとこって、あんのかな…
…兄貴、か
本当、叶う相手じゃないよなぁ。