俺の好きな人は、俺の兄貴が好き。
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「あ、2人ともおかえりー」
「ただいま」
あれから、俺はずっと涼すけと喋ってたけど
結局ダチから呼び出しLINEがきて、涼すけは見回りに、俺は友だちのところに戻った。
まぁ一日あそこにいるのはさすがに無しだよな…
「文化祭、どうだった?」
「別に普通」
「碧翔んちクラス、すっげぇ人気だったじゃん」
「あーー…、まぁ
でもそのせいで店番1時間だけだったけどやたら疲れたわ」
女子が張り切ってた甲斐あって、俺らのクラスは大人気だった。
まぁ女子ウケ狙いな出店だったからな、完全に。
「ってか碧翔明日演劇部の公演出るんだよ」
「え、本当!?」
「…まぁ、仕方なく」
俺が今までそういうのに出る機会が全くなかったから、母さんはもちろん食いついたんだけど
「どんな役なんだ?」
珍しく父さんも、演劇ってこともあってか食いついてきた。
「あー、サスペンスで犯人の親友役だと」
「なにその微妙な役」
「まぁ犯人役よりはいいんじゃないか?」
「どうせなら犯人役のが良くね?」
「・・・うっせ!
俺は超脇でよかったんだ!」
まったく…
そもそも急に決まったのにセリフがあるような役にするなよな…