俺の好きな人は、俺の兄貴が好き。



*****


「あ、2人ともおかえりー」

「ただいま」


あれから、俺はずっと涼すけと喋ってたけど
結局ダチから呼び出しLINEがきて、涼すけは見回りに、俺は友だちのところに戻った。

まぁ一日あそこにいるのはさすがに無しだよな…


「文化祭、どうだった?」

「別に普通」

「碧翔んちクラス、すっげぇ人気だったじゃん」

「あーー…、まぁ
でもそのせいで店番1時間だけだったけどやたら疲れたわ」


女子が張り切ってた甲斐あって、俺らのクラスは大人気だった。
まぁ女子ウケ狙いな出店だったからな、完全に。


「ってか碧翔明日演劇部の公演出るんだよ」

「え、本当!?」

「…まぁ、仕方なく」


俺が今までそういうのに出る機会が全くなかったから、母さんはもちろん食いついたんだけど


「どんな役なんだ?」


珍しく父さんも、演劇ってこともあってか食いついてきた。


「あー、サスペンスで犯人の親友役だと」

「なにその微妙な役」

「まぁ犯人役よりはいいんじゃないか?」

「どうせなら犯人役のが良くね?」


「・・・うっせ!
俺は超脇でよかったんだ!」


まったく…

そもそも急に決まったのにセリフがあるような役にするなよな…



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