俺の好きな人は、俺の兄貴が好き。
「俺も練習してくるわ」
「あ、碧翔」
「んー?」
「一個言っとくけど、セリフになるなよ」
「え、は?」
「セリフじゃない。
お前が役になりきることを忘れるなよ」
役になりきる、か。
「ちゃんと台本を読みこめ。
碧翔がやる役のイメージをしっかりつくれ。
いいな?」
・・・イメージか。
セリフを覚えるだけじゃだめってことか
「…まぁ、やってみるわ」
俺がそういうと、父さんは嬉しそうに俺に笑った。
「頑張れよ」
なんであんな嬉しそうに笑うのか、俺にはわからないけど
俺も、部屋に戻って少し練習することにした。
父さんも、飛鳥も練習してるんだ。
一番素人の俺が一番最初に寝てどうすんだよ。