俺の好きな人は、俺の兄貴が好き。
イベントに出撃



___翌日


「どうしよう、学校に履いてったら汚れるかな」


朝から俺のテンションは高い。
なんせ、この新しい靴が嬉しすぎるせいで。


「やめとけって。
学校なんかに履いてったらパクられるのがオチ」

「あー、それはあるな。
……やめとこ。」

「それが懸命」

「あー!早く履きてえぇぇええ!!」

「碧翔、遅刻するから早く食べなさい?」

「あぁ!わかってるって!
飛鳥!今日どっか行かねぇ!?」

「行かねぇってかバンドの練習日だし。
ってかわざわざ出掛けるところすらねぇ」

「ったく、つれねぇなぁ
ってか兄貴は?」

「朝陽は撮影で朝早く出掛けたよ。そのあと大学いくんだってさ。
碧翔も早くしないと遅れるってば」


そう母さんが急かすから、俺もこのテンションを押さえて急いでご飯を食べる。
確かにあと30分もない。なのに髪の毛もまだボサボサ。……まじでこれは遅刻しそうだわ


ガツガツと作られた味噌汁を流し込んで、ご飯掻き込んで…と飛鳥としていると


「美鈴ー」


母さんの事務所の社長さんが、いきなり来た。


「あぁ、長曽我部さんなに?朝から」

「あー、ちょい仕事の件で」

「そか、じゃああっち行こ。
飛鳥と碧翔、お弁当忘れずにね?」


そういって母さんは社長さんとリビングを出ていった。

こんな朝も珍しくはない、というか
子供の頃からあの社長さんが家にいるのは当たり前だったから、もはや家族の一員的な感じだし
家にいても、なんの違和感もない。なんなら泊まりにもいける勢いだし。


「ごちそうさーん」

「えぇ!飛鳥ちょい待て!」

「早くしろよー」



< 6 / 133 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop