俺の好きな人は、俺の兄貴が好き。



俺はそれからも涼すけとおしゃべりしながら、今日の分の準備を始めた。
つっても店の準備だけで、とくにやることはないんだけど。


「そういえばさ、今日の文化祭ゲストって誰か発表あった?
涼すけ文化祭実行委員じゃん。誰か知ってる?」

「そんな大事なこと、ぺーぺーの実行委員に教えてくれるわけないでしょ。
そのうち発表あるんじゃない?
ステージ午後の部なんだし、まぁお昼くらいになるんじゃない?
でもそこまで秘密だなんて、今年のゲストは期待できそうだね!」

「あー…確かに」


はぁ…そういや結局母さんに聞けなかったな…
父さんも兄貴も今日仕事だから今更聞けねぇし…
…ってか、今日母さん仕事なんかな?まず…

昼の発表…って
あれ、待てよ?ゲストの公演時間て確か14時。
演劇部は13時。

これ、あれじゃん
ゲスト見るために体育館来るやつ増えるんじゃね…?
ギャラリー増しだよ、これ完全に…


「あー、ASAHIくんだったらいいのになー」


・・・朝陽、ね。
本当好きだな…


「…涼すけってさ、なんでそこまでASAHIのこと好きなわけ?
どこがいいの?」

「え、だってとりあえずかっこいいし?
イベントとか行って喋ると本当優しいし、すぐにこっちのことも覚えてくれるし、それが仕事だとしても仕事頑張ってる人って魅力的じゃない?」

「あー、なるほどな」


まぁ…確かに優しいし仕事も頑張ってるわ。
毎日楽しそうだし、でも仕事ばかりじゃなくて勉強もおろそかにしなくて大学メインに動いてるし

なに俺聞いてんだろ


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