俺の好きな人は、俺の兄貴が好き。



校門につくと、校舎の中とは打って変わってめっちゃ人がいた。
一気に入ってきてるって感じ


「あ、見て見て
あれ飛鳥くんのファンだよ」

「え、…うわ、まじだ」


涼すけに言われた方を見ると、まじでいかにも飛鳥のファンってやつらがいた。
手には飛鳥のバンドのグッズのタオルがあるし…
なんなら俺、なんかあの人たち見たことあるし。ファン歴長いとさすがに覚えるわ…


「あの人たちに碧翔見つかったら碧翔大変じゃない?」

「え、いやー
あれはたぶん俺を飛鳥だとは思わないと思う」

「え、なんで?」

「あそこまでガチだとさすがに見分けついてる。
今まで飛鳥のライブで会ったことあるけど、俺に声かけてきたこと一度もないし」

「え、でもそれ飛鳥くんのライブでしょ?
そりゃ観客席に飛鳥くんがいるなんて思わないでしょ」

「でも飛鳥に双子の兄がいることは知ってる。
たぶんだけど、飛鳥のクラスも知ってる。
だから俺を見てもなんとも思わないはず」

「へぇ…なかなかすごいファンなんだね…」


飛鳥のなにがいいのかねぇ。
いやまぁ歌うまいんだろうけど


「あ、碧翔!
焼き鳥ある!食べたくない?」

「いや思いっきり実行委員の腕章つけてるけどいいわけ?買い食いして」

「まぁ細かいことは気にしない!」


涼すけはそういって、俺の腕を引っ張って
3年生のクラスの焼き鳥へ向かった。


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