俺の好きな人は、俺の兄貴が好き。
校門付近で看板ぶら下げ、隣のやつは実行委員の腕章付け、
焼き鳥を食べる俺ら。
まじでやる気なさすぎだろこれ。
「あ、あの!飛鳥くんですか…?」
まぁたまにこんな風に声もかけられるけど
「や、違いますよー」
適当に流しておく。
仮に俺が飛鳥だったら、こんなとこで女と焼き鳥食ってねぇだろ。
完全涼すけ彼女扱いされんじゃん。ファンたちに。
「さすが碧翔。みんなめっちゃ見てくるね」
「あー、確かに。
これなんもせずにこのでかい看板だけ見せとけば宣伝になるな」
「でしょー?やっぱりこれは碧翔にやらせて正解だったね」
でも実際きてみたら俺っていう残念さ。
一応店番中は名札を付ける。でっかく「碧翔」と書かれたな。
「ってか今年盛況すぎじゃね?
超人多い」
「去年は雨だったから人少なかっただけじゃない?
これが通常なんじゃないの?この学校は」
「え、まじか。
まぁ講演開くくらい、ゲスト呼ぶくらい、儲かってんのかー…」
そりゃそうだよな。
儲けなかったら呼べないもんな…
まぁ講演自体は無料で観れるけどさ。
「なんか焼き鳥食ったら甘いもの食べたくなるなー」
「あ、あそこにポップコーン売ってるよ」
「よし、買いに行こう」
「はは、オッケー!」
・・・って、俺ら
完全に楽しんでんじゃねぇか。
これで宣伝とかまじで楽すぎ。