俺の好きな人は、俺の兄貴が好き。



校門付近で看板ぶら下げ、隣のやつは実行委員の腕章付け、
焼き鳥を食べる俺ら。

まじでやる気なさすぎだろこれ。


「あ、あの!飛鳥くんですか…?」


まぁたまにこんな風に声もかけられるけど

「や、違いますよー」

適当に流しておく。


仮に俺が飛鳥だったら、こんなとこで女と焼き鳥食ってねぇだろ。
完全涼すけ彼女扱いされんじゃん。ファンたちに。


「さすが碧翔。みんなめっちゃ見てくるね」

「あー、確かに。
これなんもせずにこのでかい看板だけ見せとけば宣伝になるな」

「でしょー?やっぱりこれは碧翔にやらせて正解だったね」


でも実際きてみたら俺っていう残念さ。
一応店番中は名札を付ける。でっかく「碧翔」と書かれたな。


「ってか今年盛況すぎじゃね?
超人多い」

「去年は雨だったから人少なかっただけじゃない?
これが通常なんじゃないの?この学校は」

「え、まじか。
まぁ講演開くくらい、ゲスト呼ぶくらい、儲かってんのかー…」


そりゃそうだよな。
儲けなかったら呼べないもんな…

まぁ講演自体は無料で観れるけどさ。


「なんか焼き鳥食ったら甘いもの食べたくなるなー」

「あ、あそこにポップコーン売ってるよ」

「よし、買いに行こう」

「はは、オッケー!」


・・・って、俺ら
完全に楽しんでんじゃねぇか。
これで宣伝とかまじで楽すぎ。


< 68 / 133 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop