俺の好きな人は、俺の兄貴が好き。



俺らはそれからも適当に外に売ってる食べ物を食べ、ジュースを飲み、適当にふらふら歩いて
俺は俺で宣伝とはちょっと違うし
涼すけは涼すけで見回りとはちょっと違った。


「まぁあとで報告書出さなきゃだけど、実際見てるんだから別になんとでもなるんだよ」


なんて言ってたけど。
本当にそれでいいのかよ…
顧問に見つかったら注意されねぇのかよ…


「あ、咲空」

「あ、お兄ちゃん」


そんな適当な俺らが適当にふらふら歩いていると、前からちょうど咲空が歩いてきた。


「あ、噂の妹さん?」

「あぁ、そ。妹の咲空」


涼すけに妹を紹介すると、咲空は涼すけを見て、んで俺のことも見て


「あー…」と、小さい声で言った。
あ、そういうことね、的な事思ってんだろ。
俺の好きなやつだって、勝手に悟っただろ。
…まぁ、前一緒にいるとこ見られてるし、飛鳥が俺に好きなやついることバラしたし
そりゃわかるよな


「…いつも碧翔がお世話になってます」

「おい」


それが妹のセリフか!!まったく…


「あはは、こちらこそ。
咲空ちゃん、だよね?
やっぱりすごい可愛いね」


涼すけがそういうと、咲空は明らかに照れた。
咲空が照れた。…これ、完全に家族には見せない顔だわ。



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