俺の好きな人は、俺の兄貴が好き。



飛鳥と学校へ向かうと、今日もにぎやかなこの学校。
もうすぐ文化祭があるから、どのクラスも朝から準備追われていた。


「そういや飛鳥のクラスってなにやんの?文化祭」

「定番にお化け屋敷。碧翔んとこは?」

「お手軽にドリンク。
なんか女子が張り切っててタピオカいれるだの、オシャレなカップ用意できただの、すっげぇ盛り上がってて
Tシャツ作るのやめて、制服にエブロンで決定」

「あー、お前のクラス好きそう。インスタ映え的な」

「まじでそれ。準備金で足りるのか?ってくらい物揃えててやばい。
ま、気が向いたら来て」

「いや、男だけでいくのはかなりきついわ」


・・・だよなぁ。
完全女子向け。男の意見は無視だもんな。
……まぁ、涼すけが出した意見だから俺はまったく反対しなかったけどさ。


「今日も頑張りますかー」


そういって、飛鳥は自分のクラスへ入っていった。
まだ早い7時過ぎ、俺も自分のクラスへと入ると、すでに準備を進めている人も多くいた。


「おっはー」

「おう、碧翔!」

「あ、ちょい今日誰か遊ばねぇ!?」


そう大声で言うと

「いや、文化祭の準備」

と、他のやつらは部活の方の準備があるらしくダメ。
俺なんて、サボるために入ってる部活だからそもそも不参加だし……

飛鳥もだめで、友達もだめなんて……早くあの靴履いて出掛けてぇのに…なんて落ち込んでると


「はいはい!あたし!」


そう、俺の声に反応してる女子、1名。


「あたし今日行きたいとこあったんだけど、都合会う人いなかったの!碧翔、一緒に来てよ!!」


そう俺にかけよってくるのは、まさかの涼すけで
……もう、照れないようにするのに必死。


「は、涼すけかよー」

「なに、不満なの?」

「……ま、いいけど。
ってかどこ行くわけ?」

「こーれ」


そういって可愛く出したのは、スマホの画面


「・・・ASAHI店頭販売…?なにこれ」

「ASAHIくんがモデルやってるブランドで店頭販売やるの!今日が最終日で、しかも渋谷!
お願い、一緒に来て!?メンズのお店だし、買わないと写真とか撮れないから…
お金なら出すから、碧翔なにか買ってよ!お願い!」

「・・・いや、金はいいんだけど。俺も服ほしかったし」


それはいいんだけどさ
……朝陽の、店頭販売?え、兄貴そんなこともやってんの?

そういや、たまに帰ってこないときあったけど…


「じゃあいい!?」

「……まぁ」

「やったぁぁ…!
本当感謝!!」


購入者は一緒に写真撮影に、サインも可、と……

いや、俺は兄貴と写真は別にいいんだけど…今更感。



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