俺の好きな人は、俺の兄貴が好き。



そんなことを言いつつクラスに向かうと
俺らのクラスはなかなか盛況だった。

人だらけ。
なにこれ、しんど。


「これ絶対碧翔の宣伝のおかげだよ」

「超忙しそう…最悪…」

「はぁ?人が全然来てないよりはいいでしょ!」

「まぁそりゃそうだけど…」


もっとほどほどでいいんだよ…
まぁ俺は裏方だからまだいいけど


「ん、碧翔看板預かるよ」

「あぁ、おう」


俺は看板を外して、教室に入った。
涼すけは借りた数学準備室に看板を置きに行ったから、俺はそのまま作られたカウンターの中に入った。


「俺の名札はどこだー」


がさっと、適当に名札が入れられた箱の中から俺の名前を探す。

たぶん俺…というか飛鳥目当てにきたやつは絶対がっかりするだろうなぁ。


「あったあった」


この”碧翔”と書かれた名札見て。
これせめて名字だったら勘違い続くんだけど、こればっかりはみんなの相性で共通してるから。


「俺なにすればいいわけー?」

「とりあえずゴミまとめてー。
私たち終わったら捨てに行くから」

「はいはーい」


言われた通り、俺はゴミの片づけを始めた。
ゴミだらけ。カップに、皿に、紙。
どれもこれもかさばりすぎだわ。


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