俺の好きな人は、俺の兄貴が好き。
そんな話をしながら制服を着終わった頃
「失礼します。朝陽、そろそろ」
外にいた兄貴のマネジャーが兄貴を呼びに来た。
「あ、うん。
さてー、行くか」
そう言って兄貴が立ち上がると
「ほら、碧翔も飛鳥も行くよ!」
「・・・はい?」
なぜか母さんが俺らも立たせた。
「なんで俺らまで…」
「いいじゃない!やっと堂々とステージ横で見られるんだから、一緒に見ようよ」
あー、それが目的…
まぁ時間揃えば家族でいようとする母さんだし…
仕方ない、行くか
と飛鳥と目を合わせて、俺らも一緒にステージ横まで向かった。
で、いったのはいいんだけど
「えっ!?」
ASAHIだけではなく、母さんや
なぜか俺らまで一緒にいるのが意味不明だったのか
スタンバイ中だった生徒会長が俺らをみて固まった。
そりゃそうだよな。
普通に考えたらどういうつながりだよって話。
まぁ噂で俺らと母さんが親子なのは知ってるんだろうけど…
「会長、出番」
「え、あぁ…!」
生徒会顧問にそう言われ、2年生の新米生徒会長がマイクを持って1人、ステージへとあがった。
「兄貴、緊張する?」
「え、んー
しないかな」
ふーん、やっぱそうなんだ。
俺もさっき全然緊張しなかったよ