俺の好きな人は、俺の兄貴が好き。



「そういや俺らのクラス、けっこう売上良かった?」

「あ、うん
すっごい良かったと思うよー
まぁまだいろいろ集計してないけど、あとで結果発表が放送であるわけだし
今先生が必死にやってるはず」

「俺らは飲食部門だよなー
優勝できっかなー」

「まぁでも楽しかったんだし、なんでもいいけどね」

「それもそうだな」


なんだかんだ、結構楽しかったなー
涼すけと文化祭見て回れたし、部活の方も割と楽しかったし。
演劇も悪くないもんだなー

・・・ま、家族のことはもろにバレたけど。

でもなんか、いつもいるやつらがなんにも変わらないから、別にどうでもよかったな。
いちいち家族のことで話しかけてくるのは、知らないやつらばっかで。


「あ、そういえばさっき碧翔帰ってくる前に
碧翔にファンになったって子が来たよ?1年生で」

「え、ファンって。なんだそれ」

「ほら、演劇部の公演見て、好きになった的な。
あんときの碧翔、いつもと別人過ぎたもんねー」

「はぁー?あ、俺かっこよかった的な?」

「そ。いつもと違って」

「一言余計だわ!!」

「あはは、ごめんごめん」


でもそれ、涼すけも思ってくれてんのかな。
…涼すけも、俺のことかっこいいって思ったんかな


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