俺の好きな人は、俺の兄貴が好き。
「…よいしょ、
よしっこれでゴミも全部処分だね!」
無事ゴミ置き場に到着して、俺らは大量に置かれたゴミの上に、またゴミを重ねた。
紙ごみだけでこんだけあるって、すっげぇ話。
まぁ資源ごみだからいいんだろうけど…
「さ、戻ろー」
「あぁ、うん」
ゴミも置いたし、他のクラスのやつらも続々とゴミを運んでくるから、俺らはさっさと教室に戻ることにした。
…でも、すれ違う人すれ違う人、いちいち俺を見ては
「あの人でしょ?ASAHIくんの弟って…」
「言われてみれば確かに似てるよね」
なんて、こそこそ言われる。
全部聞こえてるっつーの。
「…涼すけ、黙ってて悪かったな」
「え、なにが?家族のこと?」
「うん。涼すけが兄貴のこと好きって知っていながら」
「はは、むしろ私が騒いでたから、言えなかったんでしょ?」
「…まぁ」
「別にそんなこと全然気にしてないよ。謝ることじゃないじゃん。
それ言ったら私だって碧翔に家族の話なんて全然しないじゃん。みんなしないじゃん。
だから別に気にすることじゃないよ。
みんなだってさ、別に家族が誰とかいちいち興味ないから。
だから碧翔も自分の家族にコンプレックス持つの、やめていいと思う」
いちいち興味ない、か。
本当、その通りだよな。いちいち気にしなくてよかったのかも、俺。
「まぁぶっちゃけ、知ったときみんなすごい反応で、え!?とはなってたけど、まぁ別に関係ないよねって話で終わったんだよ」
「んー…そうなんだ」