キミに好きって言えなくて。
学園祭に君と。
というものの。
やっぱり綾瀬との関係が変わる訳でもなく…。
あっという間にもう11月。
今日は文化祭の前夜祭で、校内はすっごく盛り上がってる。
「陽葵〜!!早く持ってこい!遅いぞ〜」
なんて、私に重たい衣装たちを運ばせる賢也。
私の高校の文化祭はクラスで1店舗、模擬店をする。
私のクラスは色んな種類の仮装をして、写真を撮れるっていうお店。
私が教室まで重たい衣装を必死に持ってきたのに、
綾瀬なんか普段あまり話さない可愛い女の子と笑い合いながら看板作りしてる。
なんで私だけこんな〜…。
ズルいじゃん。みんな…。
なんてしょんぼりしていると、
「陽葵お疲れさん!重いのにありがと」
そう言って私の肩をぽんと奏汰がたたいた。