キミに好きって言えなくて。
玄関まで下りて、帰り際、
「綾瀬、ほんと助かった。
ありがとう」
精一杯の気持ちを込めて言うと、
「礼より点取れよ?
これで赤点とかマジでキレる」
と、また明るい笑顔で言う綾瀬。
悔しいけど、めちゃくちゃかっこいいし…。
と思いながらも、
「うん、頑張るね」
とココは一応、素直に答えた。
綾瀬にこんなにも丁寧に教えて貰ったんだから、しっかり復習しなきゃなぁと考えながらも、
でも、今日はコレで終わりか…。
って少し寂しくなる。
結構長い時間一緒に居れたけど、バイバイはやっぱり嫌だな。
そう思ってると、
「送るわ」
と綾瀬の声が聞こえた。
「えっ?」
「いや、だから家まで送る。
結構暗いし、お前も一応女じゃん?」
一応って言葉が気になるけど、女の子扱いされてる…???
やばい。めっちゃ嬉しい…。