キミに好きって言えなくて。
数時間前に来た道を二人でもう一度歩く。
私と綾瀬の家は歩いて10分から15分。
こーいうときだけ、家がもっと遠かったらいいのにな…って都合よく考える私。
家の鍵を右手でクルクル回しながら少し前を歩く綾瀬の姿をこのままずっと見つめられたらな…。
なんて思ってると
「吉沢さ…
好きな奴とかいんの?」
そんなことを聞かれて、思わず
「はっ!?」
と答えた。
えっ、会話の内容が予想外すぎて…!!
これって、どうしたらいいの…!?
動揺する私に少し笑いながら
「は!?ってなんだよ
全然答えになってねぇし」
と余裕たっぷりと返答する綾瀬。