キミに好きって言えなくて。




私は迷いに迷った末、




「いる……かも。」



と答えた。




すると、綾瀬はブッと吹き出した。



「かもってなんだよ


自分の気持ちだろ?ほんと訳わかんねぇなお前」




訳わかんねぇのはそっちだ!



って言い返してやりたいけど、そんなの無理。




だけど、やられたまんまじゃ終われない。




私は意を決して、




「じゃあ、綾瀬は?」




そう聞いてやった。




長らく流れる沈黙の時間…




えっと…、


これ、いるって答えられても結構ショックだし、



いないって答えられても虚しい。



いや、この際、いないの方が嬉しい?



でもその時点で、私の可能性はないわけだし。



いや、そもそもいるでも可能性ないか?




なんて考えてると、答えを聞くのが怖くなって、



「次はどんな可愛い子なのかな〜〜?


でも、綾瀬、好きな子できても付き合わないもんね〜〜?」




なんて、逃げてしまった。




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