キミに好きって言えなくて。
もううちに着いちゃったけど、こんなもやもやのままじゃ勉強絶対できない。
『さっきのって好きな人ができたってこと?』
ってちゃんと聞こう。よし。
そう決心して私が少し口を開いた瞬間…
「千景くん!お久しぶりです!!」
「おう!陽稀(はるき)、久しぶり」
と邪魔をしてきたのは私の弟。
弟の陽稀は私の2個下で、中学3年生のサッカー部。
同じサッカー部だった綾瀬をかなりリスペクトしてるらしく、
綾瀬を見つけてはすぐに話しかけて、喜んでる。
一見可愛いように見えても、
これが私にはかなり生意気で、綾瀬のことで何回もバカにされてきた。
この日も、綾瀬を取られ続けて、何も言えず家に入ると、
「姉ちゃんまだ千景くんに好きって言えてねぇの?」
「千景くん、カッコイイうえにめちゃくちゃモテるんだから、すぐ取られるんじゃね?」
と、このあり様。