キミに好きって言えなくて。
クマと花火と、浴衣と君。
あのドキドキだった海の日からもう3週間が経とうとしてるお盆の真っ只中。
おばあちゃんの家で私は5人で撮ったあの日の写真を眺めてる。
先週、また5人で遊んだりもしたけど、綾瀬の態度は別にいつも通り。
あの海の時だけやっぱり海パワーか水着フィルターかで可愛いなんて言ってしまっただけなのかな…。
はぁあ。今年の夏も特に変化なしか…。
「なに?ため息とかついて。
どーせ、千景くんと上手くいかないなぁとかそんなとこ?」
隣のウザイ弟がそんな風に姉を馬鹿にしてくる
「うるさいなぁ。
なんもない訳じゃないもん!!」
………たぶん。いや。なんもないけど…。
「威勢だけはいいのに毎年毎年、はぁ〜ってため息ばっかじゃん?」
「もー!ほんとうるさい!
陽稀こそ、なんもないでしょ〜!?」
「いや、あるし?
彼女いるし、俺。」
…はぁ!!?
こんなやつに彼女!?
嘘でしょ!!!姉の私を出し抜いて…。