キミに好きって言えなくて。




なんか話さなきゃ…。



そういう気持ちが余計いつもの調子を狂わせて、私の頭を混乱させる。



こんなんじゃ、せっかくのチャンスも無駄にしちゃう…。



なんて悲しくなってると、




「いいじゃん。浴衣。似合ってる」




と綾瀬がぼそっと呟いた。




「へっ?」



私の耳に聞こえた言葉がやっぱり信じられなくて、本当なのか確かめたくて、聞き返した。






「いや、2回も言わねーし」





そう言ってクスッと笑う綾瀬がかっこよすぎて、




「綾瀬も…。


すごい似合ってる。」





なんて素で言ってしまった。




< 60 / 173 >

この作品をシェア

pagetop