キミに好きって言えなくて。
しばらく沈黙が続いたあと、
賢也が珍しく真剣に静かに話し始めた。
「確かに先輩はちょーカッコイイし、
サッカーめちゃくちゃ上手いし、俺らもみんな憧れるようなイイ男だよな?
それはみーんな知ってるし、俺だってもちろんそう思ってるし。
で、そんな先輩を見て、希は先輩を好きになって、
そんなイイ男と釣り合うために、
希はいい女になろうと頑張ったわけじゃん?
結果は付き合えなかった。
これが現実かもしれないけどさ?
そのイイ男を追いかけてたおかげで今の希がこんなにいい女になったわけだろ?
だから、たとえ今、先輩と付き合えなかったって現実があったとしても、
こんな綺麗な一途な恋を乗り越えた希はさ、
この先、先輩みたいな、っていうか、先輩よりももっといい男と付き合える可能性をひめてるってわけよ?
だからさ、この恋が無駄だった訳ないし、
今は無理でもさ、
いつかあの時先輩のこと好きでいられてよかったって絶対に思う日が来ると俺は思うんだよね〜?
って、ちょっとくさすぎ???」