キミに好きって言えなくて。



ぼんやり綾瀬の顔を見てると、色んな綾瀬を思い出す。






みんなではしゃいでる顔とか、


私をからかってる時の顔とか、


花火大会の時の少し色っぽい顔とか…。




全部全部綾瀬はカッコよくて大好き。




綾瀬の顔は私、飽きずにずーっと見とける気がする…




なんて思ってると、



「こーら。じっとこっち見んなって前言っただろ?


ほら、はやく寝ろ!


俺がいるせいで寝れねぇなら、すぐに退室するけど?」




そう言って、座っていたパイプ椅子をすっと畳んだ。



「ったく。1人でゆっくり寝てるんだな」



そう言ってカーテンの向こうに消えそうな綾瀬の袖を私はぎゅっと握った




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