好きが伝われ
First Part
「紫衣!あんたもう翔太君来てるわよ」
「ん~…」
寝ぼけながら時計を見ると、7:30。
どぅわ!!
「ね、寝坊した!」
「はぁ、お母さんはずっと起こしてたんだからね~?」
急がなくちゃ。
私は大園紫衣(おおぞの しい)。
この前高校生になったばかり。
今はもうすぐ6月になるところ。
学校にだいぶ慣れてきた、そう思ってたのに。
…なのに寝坊して、今はすごいやばい情況。
急いで準備して、家から出る。
「よぉ!はよ!」
「お、おはよう。朝から元気ですねぇ」
玄関前で私を待っていてくれたのは、幼なじみの塩谷翔太(しおや しょうた)。
家が近くで高校も同じだから、毎朝一緒に登校してる。
「よし、走るぞ!!」
「え!?い、いや、私起きたばっかで…」
「いいから!」
あたしは朝から無理矢理走らされる。
まぁ、私が寝坊したのが悪いんだけどね。
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