好きが伝われ
「あ、紫衣ちゃん!」
体育館内から私の名前を呼ぶのは、紛れもなく恒樹さん。
だめだめだめ!今呼んだら確実にあの子達に名前が〜
「なにあれ。誰」
「知らない。見たことない顔だし、1年でしょ」
ほら、もう言われてるもん。
そんなのお構い無しに、手を振ってくる恒樹さん。
一応私も小さく手を振る。
恒樹さんは手招きをしてくる。
行けそうになかったので首を横に振ると、わざわざシューズを脱いでこちらに来た。
「あの子達は気にしなくていいから、中に入って見ててよ」
「でも、部活関係者とかじゃないし…」
「へーき!ほら行こ?」
恒樹さんは私の背中を押して、体育館に入らせる。
その間もずっと女子からの視線は熱かった。
うぅ…すみません。