好きが伝われ


ふわっと抱きしめられる。


「これで、紫衣ちゃんが泣いてるかどうか俺に見えないし迷惑じゃない。でしょ?」


2回、私の頭をポンポンされて、我慢しきれなくなった涙が零れた。



「伊賀さん?」

「怪我人いたから、ちょっと保健室に連れていく。

練習はこのまま続けてて」

「はい!」



恒樹さんの後輩…らしき人がきてすぐに練習に戻って行った。


保健室って言った?




「ここだと人目が多すぎるから、保健室に行こ」


フワッと浮く感覚。


足と肩に温かい感触。


状況は…お姫様抱っこ!?



う、嘘でしょ。

泣いてる顔丸見えだし、周りの人からの目線がぁ~



腕で顔を隠して見えないようにする。


もう、何も見たくないぃ
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