好きが伝われ


翔太が保健室まで連れてきてくれる。

「ありがとね」

「あぁ。てか、結構血が出てるな。大丈夫か?」


今まで恥ずかしさの方が強くて、怪我のことなんて気にして無くて。

怪我のことを脳に再認識させると、不思議と痛みが出てくる。


膝から結構な量の血が出てる。

「痛いぃ~~~」


半泣きしながら膝を押さえる。

「あぁ!バカ、そんな砂だらけの手で触ったら菌が入るぞ!」

翔太がすぐに私の手を膝から引き離す。



「保健室の先生どこ行ったんだか…」

そういいながら保険室内を歩き回る。

何してるかと思えば、消毒液とか、絆創膏とかを持ってきてくれた。


「まずは消毒だな。痛いかもしれねーけど我慢な」

黙って頷くと、コットンに消毒液をしみこませて、それで血を拭うようにして消毒してくれる。

もちろん浸みたし、結構痛かった。

痛いって騒いだら、翔太怒りそうだし静かにしといた。


「ほら。もう平気だぞ」

「あ、ありがとう」

「ったく、あんまり派手なことやらかすと、目立つぞ」


さっき転んだ風景を思い出して、また恥ずかしさがこみ上げてくる。

あぁ、穴があったら入りたいってこういうことなんだ…
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