好きが伝われ
「グッとパーで分かれましょっ」
咄嗟に、グーかパーを出す。
ちなみに私はパーで、ペアになったのは神浜さんだった。
これ、一緒に回るとか言わないよね?
「よし!このペアで水族館回ろうよ」
「え?何言ってんの。私はあくまでも翔太くんとデート中だよ?
なーんで大園さんと回らなきゃいけないの?」
ズキッ。
私だって別に神浜さんと、回りたいわけじゃないんですけど…
「そんなん自分の運を恨めよ。よし、行こうか」
恒樹さんは翔太の肩に腕を回す。
翔太はあっさりその腕から抜け出して、あからさまに距離を取る。
「はぁ、まあ、じゃ行こっか」
私と神浜さんも、館内に向かって歩き始める。