好きが伝われ



「この前まで俺が好きだとか言ってたくせに、今度はあいつなのかよ」


「ちょっと待ってよ。翔太じゃん、私を突き放したのは。

私はちゃんと言ったよ?好きだって。なのに翔太はなんの返事もない。

付き合う必要が無い?私には意味がわからないよ。」



今まで貯めてた気持ちが溢れ出てくる。


「家族みたいに思ってるよ?


でも、翔太が他の誰かと付き合ったり、笑ったり。そういうのは耐えられない。

これは、家族としての感情だけじゃ済まないよね?」




翔太は黙ってた。

私はここが公共の場だってことをすっかり忘れて、泣きそうになる。

これじゃまるで兄と妹。


駄々をこねる妹を、面倒くさがる兄。
< 136 / 177 >

この作品をシェア

pagetop