好きが伝われ
「それに…」
聞きたくないけど…聞かなきゃ
「私、まだハッキリと翔太の気持ち聞いてないよ!
私の事嫌いなのか、好きなのか。よくわかんない
いっその事『嫌い』って言ってよ!バカ!」
泣きそうになるのを、必死でこらえる。
斜め前にいる翔太の顔がちゃんと見えない。
嫌いって言ってくれたら、私諦める。
言ってくれないなら、諦められないよ?
たとえ、神浜さんが彼女だとしても。
「ちょっと」
そういうなり、私の腕を掴んで歩き始める。
しかもかなり早歩きで。
え?なに、どこに行くの?
もしかして、外に追い出されて、顔見せんなとか言われるのかな…
翔太が足を止めたところは、人があまりいない広場だった。
今日はかなり寒いから、ここにいる人はほとんど居ない。