好きが伝われ
「俺、お前を家族みたいと思ったことは正直無い」
胸にグサリと刺さる痛み。
そ、そうだよね。
言っても私達は、小さい頃から一緒にいただけで。
本来、友達というのかすら危ういし。
「小学校の時からよくコケるし、怪我するし、世話が焼けてしょうがなかったし。」
そんな昔のこと掘り出してまで、私を悪く言いたいの!?
もうやだ、聞きたくない…
「最初はただのバカでおっちょこちょいな幼なじみだった。
けど、中学になった頃からそういう目で見ることは一度もなかった。」
幼なじみにもなれなかったの?私は。
「なのに、お前は鈍感でバカでアホだから、ほいほいと俺に近づいて来るし、
家では露出度高いし、平気で俺の部屋で寝るし。本当になんなんだよお前は」
「ご、ごめん…」
「けどそれって、俺が男として見られてないからだよなって。
だから、、紫衣の告白もただ一緒にいたいだけだって思ったんだよ。
それじゃ俺とは違うから。俺は一緒にいるだけじゃダメだったんだよ」
うん。何を言ってるのかさっぱりわからなかった。
男として見られてないとか、一緒にいるだけじゃダメとか。
それって、ちょっと期待しちゃうセリフじゃん。