好きが伝われ
「それって…どういう…」
「あーー。ほんっとに鈍感すぎる。少しはここで考えろよ」
翔太は指で頭をとんとんと叩く。
頭で考えろって言われても、今そんなことできる状態じゃないし。
「はぁ、だから。俺は、お前が俺を好きになる前からずっと好きだったんだよ、紫衣のこと」
「でも、私聞いたもん。翔太が神浜さんに好きって言ったの。」
「言ってねーよ。あれは…っ色々あんだよ。
つーか、なんだよ。こんな正直になっても紫衣は伊賀の彼女だもんな」
「違うよ、私、恒樹さんの彼女じゃない」
翔太はキョトンとしてた。
「あの野郎…」
なにか思い出したように、怒った顔をした。
でも、今までの話振り返る限り…
私たちって、両思いってことでいいの?
でも、翔太のこと家族として見た事はないって。
いやそれはそうだけど、でも幼なじみとしても思ってないって言ってたよね?
ん?
私は結局なんなの?