好きが伝われ
「私って、翔太にとってどんな存在なの?」
翔太は面食らった顔をした。
え?私変な事聞いてる?
「何そのストレートな質問。」
「だって、家族でも幼なじみでもないなら…」
「俺にとって紫衣は紫衣だよ。一人の女の子じゃん。
幼なじみとか家族っぽい括りの中には存在しない。
ただそれだけ…ってかこんな恥ずかしいセリフ言わせんなよ!気づけばか!」
私は私。
そっか。翔太は私を、私として受け止めててくれたんだ。
小さい頃から仲のいい友達だけじゃなくて、大園紫衣として。
「翔太…私の事好き?」
「はあ?なんでそんなこと聞くんだよ」
変な質問だし、傍から見ても変だけど…
「ちゃんともう1回聞きたいの!現実じゃないかも…しれないし」
翔太は、でかい溜息をついて私を抱き寄せる。
「好きだよ、紫衣。」
耳元に聞こえる声は、しっかり翔太だし、現実だった。