好きが伝われ
水族館を出て、駅方面に歩く私たち。
「そういえば、神浜さんのこと…いいの?」
「ん?あー、いいんじゃない?つか俺ちゃんと振ったし」
「え?いつ!?」
そんなの聞いてない。
しかも、神浜さんの態度からして両思いって思ってたのに。
「さっき、紫衣が俺があの人に好きって言ったって。
あれ、ちゃんと聞いてなかったから勘違いしてんだよ」
「勘違い?」
「本当は『俺は待つんで。あいつが好きだから』だ」
「待つって…」
「紫衣がちゃんと俺を男として見てくれるまで。ってこと」
翔太は顔を少し赤くしてた。
「あ、赤い」
「うるせーよ。ばーか」
翔太は私のおでこを叩く。
でも、クールなだけじゃない、バカなだけじゃない。
可愛い翔太が見れて、私は幸せです。
なーんて言ったら、めんどくさいから黙っとくけどね。