好きが伝われ
「翔太…」
「ん?」
ギュッて抱きしめて欲しいとは言えないし、とりあえず目で訴えてみよう。
「…そんな目で見るんじゃねーよ、行けなくなったらどーしてくれんだよ」
そう言って私を優しく抱きしめてくれた。
目で訴えても伝わるって…超能力とかなのかな。
そんなことどうでもいっか。
翔太がこうしてくれるのも、あと数日。
翔太の匂いで落ち着けるのも…あと数日。
「なあ、そろそろ離れていいか?」
「えー。なんでよ」
「…察しろよ。鈍感バカ」
鈍感バカって。
「絶対離れない!鈍感バカ撤回してよっ」
はぁ、とため息が聞こえる。
「撤回できない。てか、そこまで鈍感ならもう知らね」
そう言って、翔太は私の唇に何度もキスを。
慣れてないから、息が持たない…
「はぁっ…」
「なにそれ…可愛すぎるんだけど。」
翔太が優しく笑って、私の頬に、首に、鎖骨にキスを繰り返す。
その度に、恥ずかしくて吐息が漏れる。