好きが伝われ
「お先に失礼します!」
「お疲れ様〜」
先輩方に挨拶して帰る。
夏の夜は、むしむしで暑いなぁ。
せっかく化粧直ししたばっかりなのに。
早く帰ろ。
「あ、紫衣ちゃん?」
ぎくっ
この声は…
振り向くと案の定、高木先輩だ。
「あ、どうもー。高木先輩も今上がりですか」
「そうなの。今日はちょっと早め退勤」
「あぁ!よかったですねぇ〜」
変にオーバーリアクションになってしまう。
真希に気をつけろって言われたばっかのに。
でもまぁ、何もされてないし平気か。
「どう?これから1杯」
「あ、いえ。私お酒とか飲めないんで」
「じゃ、普通に飯くいに行こうよ。奢るし」
「あ、でも今日は家に用意があるし」
何度断っても、ついてくるし誘ってくる。