好きが伝われ
「なんでー?俺、紫衣ちゃんの悩みとか聞きたいなぁ」
「あの、私悩んだりとかしてないですし…」
「つか気づいてよ。俺ずっと紫衣ちゃんのこと狙ってんのに。
そんなするするかわされると、少しムカつくんだ」
えぇ、急に態度が変わった。
ムカつくって…そんな理不尽な。
どうしよ。
すぐ前に駅があるけど、ヒールだし走っても追いつかれるよね…
なんて考えてる間にも、高木先輩は近づいてくるし。
どうしよう。怖い…
「おまわりさん!こっちです!変態がっ」
急に高木先輩の後ろの方でそう叫ぶ人が。
高木先輩も焦って、すぐに立ち去る。
ふう、警察が来たなら安心…?
あれ?警察いない。
「紫衣ちゃん?だよね?」
私の顔を覗き込んできたのは、知ってる顔だった。
「恒樹、さん?」
「正解!よかった合ってた〜」
恒樹さん…なつかしい。